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『ドン・ジョヴァンニ』 佐渡裕指揮 兵庫県立芸術文化センター [オペラ]

 毎年恒例の芸文詣でに出かけてきました。もう歳も歳だし、老い先短いから贅沢してよいかなぁと、昨年から日本人セットと外人さんセットの両方を見に行くようになりました。

IMG_1945.jpeg 最初に観たのは開幕間もない日本人セットでした。題名役の大西宇宙さん、とても艶やかな声で堂々とした歌唱スタイル、とても気に入りました。ジョヴァンニが乗り移っているのか、本当に女たらし・男たらしの演技で、上半身裸になったり、レポレッロの平野和さんにキスしたり、娼婦や男娼を弄ぶ姿はそれなりのものでした。『詩人の恋』をCD化されていたので、早速買って聴いております。これからが楽しみです。高野百合絵さんのアンナと城宏憲さんのオッターヴィオのペアは、悲劇的でありながらも、力の抜けた声を響かせて歌っているのがとても好印象でした。特に城さんの2つのアリアは、余計な力が入っておらず、とても気持ちよかったです。池田香織さんのエルヴィーラは、最後のアリアが少しアジリタがヒヤヒヤするものでしたが、体当たり的な歌唱でした。
 外人さんのセットは、その日がその人たちの千穐楽で、とても盛り上がった感がありました。Heidi Stoberさんのエルヴィーラが私的に最高でした。歌が巧いのもさることながら、この役の悲劇的な部分を最大限に出されていて、終幕最後の6重唱など、涙が出そうでした。Joshua Hopkinsさんの題名役は、さすが主役だけあって、声がまず美しい。大西さんを観た後だったので、少し演技が平板かなぁという感じがありましたが、とても気に入りました。アンナとオッターヴィオのペアは、日本人の二人がとてもよかったので、ちょっと残念な気がしました。David Portilloさんのオッターヴィオは、もう最終日だったから、少し声に疲れが感じられましたし、Michelle Bradleyさんのアンナは少し歌い回しが荒いかなぁと思ってしまいました。始終声を張って歌われるので、少し聴き疲れもありました。

 昨年のボエームに比べると舞台が簡略化されていて、ボエームやその前のメリーウィドウのような、わぁ、と息を呑むような場面がないのは残念でしたが、舞台上で衣装を付けたたくさんの人たちが楽器を演奏されたりと、華やかさはありました。ただ、最後の地獄落ち、装置が舞台後方に引きずられて行き、そこで奈落落ちとなるのですが、一番オケが鳴っている時に舞台奥で歌われると、ほとんど声が聞こえず残念でした。
 席は両方ともラッキーなことに一列目で、佐渡さんの唸り声も堪能しました。モーツァルトは木管・金管楽器側より弦側に席があったほうがいいなぁ、と色々聞き比べ、見比べして楽しんできました。長く楽しみにしてきたオペラ、終わってしまって、来年の蝶々さんまで、また首を長くして待たねばなりません。

 今も『ドン・ジョヴァンニ』熱は冷めやらず、家にあるカラヤン盤をヘヴィーローテーションです。


https://youtu.be/4E76hRbSLf4
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