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劇団四季「サウンド・オブ・ミュージック」 大阪四季劇場 11月12日 [ミュージカル] [ミュージカル]

1741.jpg 昔から大好きなミュージカル映画「サウンド・オブ・ミュージック」、劇団四季が公演するというので、早速チケットを買って観てきました。アンドリュー・ロイド・ウェバーが2006年にプロデュースしたものということで、とても楽しみにしていました。
 当日の主要キャストはマリア=笠松はる、トラップ大佐=芝清道、修道院長=秋山知子でしたが、子供たちも含めて穴のないキャストで本当に楽しめました。笠松さんは、以前ファントムのクリスティーンで観ましたが、この人、とても明るそうな感じの人なので、このマリアの役の方がずっと自然でよかったです。一番歌がうまいと思ったのは秋山さん。「すべての山に登れ」は本当に感動的な歌唱でした。もちろん劇もとてもうまいと思いました。芝さんは初めて観る人でしたが、声も立ち姿も石丸幹二を彷彿させるところがあり、劇団四季の男声のカテゴリーにこういう系統があるのかなぁと思ったくらいです。トラップ大佐としてはもう少し品を感じさせる声と演技がいるかと思いましたが、歌自体はとても巧いと思いました。どちらかというとファントムの方があうのではないかと思いました。
 子供たちもとても頑張っていました。ただ、ああいう商業演劇で子供が準主役になるのはある程度限界があるかなぁとつくづく感じました。はっきりと大きな声で話すこと自体、かなり子供たちには負荷がかかるようで、どうしても不自然さをぬぐえませんし、必死な顔つきが、よくがんばっていることを物語るものの、観ている側はストーリーそのものに入っていけないデメリットがあります。歌はよく訓練されていて、本当にしっかり歌えたのには感動しました。リーズルはこれは成人メンバーなのか、歌もさることながら、あずまやで踊る踊りのとても巧いことには感心しました。
 一番気になったのは、歌の配置が若干変えられていることでした。「私のお気に入り」が修道院長と共に修道院で歌うのは中でも一番気になった点です。背景として、マリア自身は修道院内ではそれほど問題を感じている様子もなく、嫌な思いを忘れるためにこの歌を歌う理由がありませんし、それに修道院長が同調する意味もわかりません。この歌は雷に怖がる子供たちを慰めるために歌うという映画での配置の方がずっとしっくりするものです。それにマリアが去ってから悲しい思いをしている子供たちが、その気持ちを慰めるのにこの歌を歌うということにもうまく繋がってきます。雷のシーンが「ひとりぼっちの羊飼い」に換えられていましたが、これこそパーティで歌うからこそ、この子供たちが歌がうまいことを示したのだと思います。それもなしにお休みの歌だけを聴いて、彼らこそ音楽祭にふさわしい逸材だと判断するだけの材料にはならないと思います。
 日本はキリスト教国ではないので仕方ないとは思いますが、教会内の表現について幾分の違和感があったのも事実です。修道院内の聖歌はあれほどビブラートをかけては歌わないと思いますし、結婚式に出てくる司祭の格好はかなり異質だと思います。もともとあれは司祭がミサを挙げる時の服装ではありませんし、結婚式ならちゃんと決まった服装を身につけているはずです。

 ペギー葉山の日本語訳はとても巧いと思いますが、それ以外の訳がいつもの劇団四季訳でがっかりしました。不自然な日本語と、自虐的なのか自己弁護的なのか、子供たちの台詞に「一つの音符に一つの音のはずなのに」という表現がありましたが、これをもう少ししっかり守ってもらわないと、日本語がとても聞き取りにくいです。それにところどころ英語をそのまま入れるというのも、あまり日本語のミュージカルということを考えると好ましいこととは思いません。
 っと、細かいことに文句をつけると一杯になってしまうのですが、全体的にはとても満足したもので、いいできだと思います。また観に行きたいなぁと思ってしまいました。

PS: 原作について、昔から納得がいかない点は、ザルツブルクの山を越えていけるのはドイツか、やはりオーストリアかだと思います。スイスに逃げるには遠すぎるし、絶対途中でナチスに捕まるんじゃないかなぁ。

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劇団四季 「オペラ座の怪人」 京都劇場 [ミュージカル]

odaoda.jpg 8月に入って、京都劇場の「オペラ座の怪人」を観てきました。前回大阪・ハービスエントで観た時、このミュージカルはもう劇団四季で観なくてもいいかなぁ、と思っていたのですが、会員情報誌が千秋楽だ千秋楽だって強く宣伝されているし、一度母親を連れてやってもいいかなぁと思い、京都のが終わる前に観に行ったわけです。

 舞台に向かって右側の真ん中通路側、前から3列目で、クリスティーンがこっちを向いて歌ってくれる回数が多かったのが嬉しい席でした。2幕最初の仮面舞踏会では、階段の上の方の人が見えなかったのが唯一の難点でした。

 何度も繰り返して聞くと、手のひらを返したようなクリスティーンの仕打ちや、ストーカーまがいのファントムの性格付けに、理性的には受け入れられなくなるような点も多いのですが、曲の美しさとストーリー展開、特に2幕でのたたみかけていくような展開は、本当にこのミュージカルの一番の魅力です。何度観てもワクワクしながら観てしまいます。
 ただ日本語訳にかなり問題があると思います。メロディーの美しさを損ねる字余りの言葉はまず大きな問題だと思います。確かに現代語に訳すのは大変だと思うのですが、できれば原曲のリズムにもう少しあった訳詞付けをして欲しかったです。また日本語でもいいのに英語やフランス語にしたりする点は、外国語に不慣れな年輩の人達、たとえば私の母などには、何を言っているのかわからないと思います。字で読むならそれなりに反芻して考えられるのですが、歌詞となると一瞬で終わってしまいます。「天使」「エンジェル」や「ムッシュ~」「~さん」の混在など、できれば日本語に統一した方がいいと思います。

 配役では、ラウルの中井智彦さんがなんせとってもうまく、本当に感激しました。母音もとても綺麗にそろえて歌っているし、声も綺麗だし、ハンサムだし、その若々しさもラウルに適切な配役です。ラウルは舞台でもCDでもあまり気に入った演奏がなかったので、今回は本当に嬉しかったです。劇団四季で歌うのはこれがデビューだとかで、そうには見えない堂々とした歌いっぷりは素晴らしかったです。
 クリスティーンもがんばっていましたが、クリスティーンって、大体だれがやってもあれくらいはしっかり歌ってくれるものだと思いました。
 問題はファントムで、声も男っぽくかっこいいし、中音以下もよく響く素敵な声なのですが、高音が出ない。高音がどれも割れているか叫んでいるか、悪いときは裏返ってしまうかで、その度に興醒めしてしまいました。たくさんのファンがいるみたいで、真ん中席の前の方の人達は、みんなウルウル目で見つめられていましたが、あの高音は、如何せん私はいただけません。1曲に必ず数回は出てくるのですから、他の何がよくっても、私は喝采というわけにはいきませんでした。前回大阪・ハービスエントで観た時のファントムも同じようにベテランの人だったと思いますが、この人も高音が出ず、最後は本当に聞きづらかった....。

 とは言うものの、合唱も素敵だし、立ち振る舞いも立派だし、やはり生で見るのはいいなぁと思った公演でした。
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