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2023 道東旅 #2 霧多布岬・霧多布湿原 [旅]

20230807  霧多布 (10).JPEG 霧多布の二日目は雨。車なしで、バスも日に3本、借りて走り回ろうと思っていた自転車も貸し出し中止。カヌーも中止の連絡を受けていましたが、霧多布里のご主人が、折角頼んだんだから、ネーチャーガイドしてもらうといいよ、とのことで、頼んでみると快諾。ヴァンで迎えに来てくださり、まずは霧多布岬に連れて行ってくださいました。
20230807  霧多布 (14).JPEG 最近、ラッコ生息で人気に火が付いた場所だそうで、この日は雨で人が少なかったけど、観光バスでも乗り付けてくる場所になったそうです。
 夏だと思って薄着しか持ってきていない私たちに、暖かい上着と上下のレインウェアーを貸してくださり、長靴に履き替えて移動です。これがないと寒さに震え上がっていたことでしょう。
20230807  霧多布 (21).JPEG 岬への自然歩道に入るとすぐにガイドさんが、ラッコですよ、って。見てみると本当に小さな点が二つ。あれじゃ素人の私たちではきっと見つけられない。双眼鏡も用意してくださり、見てみると、あぁ、なんてかわいい。
 しかし気持ちよさそう。外敵が少ないのと、波がそれなりに大きくならないのと、食物が豊富なのがこの岬にラッコが自生するようになった理由なのだそうです。最初は定着が確認するまで宣伝をしないでおいたそうです。


 いくら見ても飽き足らないラッコ、しばしお別れで岬まで散歩です。さすがのガイドさん、どの植物についても細かく説明してくださり、本当に歩くのが楽しい。
20230807  霧多布 (9).JPEG20230807  霧多布 (8).JPEG20230807  霧多布 (7).JPEG
 帰りもまたラッコ見て、また釘付け。どんどん集団が大きくなってくる。後ろ髪を引かれながら、次の訪問地へ。

 と思っていると雨もかなり緩くなってきたので、霧多布湿原で少しだけカヌーをしましょうと言ってくださり、待望のカヌーです。
20230807  霧多布 (24).JPEG 細い通路を通り抜けていくのですが、最初はまだ川なので丈の長い草が生えていますが、下流に向かうと海水が入ってくるので、背の低い草になってきます。そうすると川もどんどん開けていきます。
20230807  霧多布 (29).JPEG ガイドさんがたくさん動物の説明をしてくださります。チドリたちの集団演舞、遠くの木にはオジロワシ、そして帰り際にはタンチョウのつがいまで現れてくれました。タンチョウの鳴き声や、雄雌の違い、本当にたくさんのことを教えていただきました。

 ガイドさん、堺出身の方だそうで、北海道に惚れて移住されてきたのだそうです。来しなに花咲線から見えた素晴らしい別寒辺牛湿原でのカヌーも凄いらしく、次回はそこもお願いしますと頼んできました。
 とっても素晴らしいガイドさんでした。絶対お勧めです。
 https://www.land-edge.com/
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2023 道東旅 #1 釧路~霧多布 [鉄道旅]

20230806 霧多布 (3).JPEG 根室本線の花咲線部分に以前から乗りたくって、今年はやっと実行してきました。決めたのが遅かったので、飛行機や宿取りが大変でしたが、とりあえずいつも通り飛行機から決めて計画していきました。関空からのPeachが一番安く、機内持ち込み荷物7kg一つのみという条件で、釧路まで飛びました。
 釧路空港から釧路駅までのエアポートリムジンには、「このバスは釧路駅でのJR線に接続していません。」との張り紙。この辺りのJR線は日に5本ほどなので、それに接続していないとなると、本当に焦ることになります。ヒヤヒヤしながらバスに乗っていましたが、乗車予定の花咲線には無事10分前に到着しました。
20230806 霧多布 (4).JPEG 釧路を出ると、すぐに人気のない平原に出て、ひたすら走っていきますが、厚岸から茶内間の別寒辺牛湿原を走る時に大感動。すごいところに線路が敷かれている。実際、少したくさん雨が降ると花咲線はすぐに運転見合わせになるそうです。
20230806 霧多布 (5).JPEG 浜中駅に到着。ここまで宿の方が迎えに来てくださるということでおりましたが、当日メール連絡すると、○○まで来てくださいとのこと。えっ!仕方なく誰も人が歩いていない道を歩き出すと、宿の方が車で来てくださり、バス運行のない日曜日であることを忘れていました!とのこと。ほっとしました。
 浜中はモンキーパンチさんの出身地だそうで、あちこちにルパンの一族の等身大看板があります。
 泊まった宿は霧多布里。https://kiritappuri.jimdofree.com/
東京から移住してこられたご夫婦の営む民宿です。SDGsにかなり高い意識のある方々で、色々話を聞かせていただきました。
20230806 霧多布 (8).JPEG
20230806 霧多布 (9).JPEG
20230806 霧多布 (10).JPEG

20230807  霧多布 (2).JPEG 新鮮な魚介類中心で、とてもおいしい。お酒もとっても安く呑ませていただきました。霧多布辺りのことを色々聞かせてもらい、雨模様だった次の日の回り方もご指南くださいました。
 次の日は案の定小雨でしたが、朝食まで、浜の散歩に出かけました。道にはアスファルトの割れ目からノコギリ草がかわいい姿を見せています。ノコギリ草には3種類あるのだそうで、これはそのうち一番小さな葉の種類だそうです。
20230807  霧多布 (3).JPEG この辺の浜は、全国でも珍しい、自動車で走ることができる浜だそうで、遠くに見える霧多布岬を前に歩きます。オジロワシのつがいが、カラスのつがいと並んで岸壁に休んでいました。オジロワシは足で相手を掴まないと力が発揮できないのだそうで、カラスにいたずらされること多い出そうです。
 さてさて、宿に戻って参りました。この後カヌーを頼んでおいたガイドさんから中止の連絡が来ましたが、霧多布里のおじさんが、ネーチャーガイドしてもらうといいよ、ってアドバイスしてくださり、ガイドさんに伝えると、快諾。朝ご飯を食べてガイドさんの到着を待ちます。
20230807  霧多布 (1).JPEG
20230807  霧多布 (4).JPEG

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Renata Scotto 逝去 [オペラ]

 Renata Scottoが昨日2023.8.16に亡くなられた。89歳だったというから大往生と言える。とは言うものの、知っている人が亡くなられるのは悲しい。
 私がオペラを聞き出したのは1981年にスカラ座がKleiberやAbbadoと来日からだったが、その時はソプラノはFreniだった。Freniより1年早い1934年生まれなんで、Scottoも一番いいときだったと思う。
 私はFreniの方が好きだった。それもDGやDeccaの録音にFreniが多かったせいだと思うが、当時高価なレコード、Scottoまで買って聞く余裕はなかった。

scotto (1).JPEG Scottoで一番好きなのはMuti指揮でKrausと録音したLa Traviata。この曲を初めて聴いたのはこの録音で、この曲はこれで覚えたと言えると思う。キャリアの初めの方はコロラトゥーラだったと思うのだけど、あまり彼女の高音が好きではなかった。この録音はdrammaticoに移行してからのものなのだろうが、やはり「花から花へ」は少しきついと思った。でも「ああ、そはかの人」は、この人が最高だし、終幕最後の歌唱もこの人以外には考えられないくらい刷り込まれている。息継ぎの時の音が少し大きいのはご愛嬌か。
scotto (2).JPEG Luisa Miller。ここ10年くらい前からVerdiの有名でない路線の作品を聴くようになって、MaazelのDG盤は持っていたものの、映像で観たくなって買ったのがMetでDomingoと歌っているこの録画。古くって少し画像がよくないのだけど、これがまたいい。Scottoは本当に歌舞伎役者の様に見得を切って歌う姿に感動。凄い声だなぁ。見た目的にはアルプスの乙女というより、ひまわりおばさん風だけど、そんなこと全然気にならない。私的には彼女の一番の映像じゃないかと思う。
scotto (3).JPEG 最盛期を超えたのか、主役ではなくMusettaを歌うMetのこの録音も好き。元々CarrerasのRodolfoが観たくて買ったけど、Scottoの役者姿も凄い。確かMetで演出もやっていたのではないかなぁ。
scotto (4).JPEG 古いレコードでFreniとのデュエット集。このアルバムを買えるほど余裕があるわけではなかった私がこのCDを買ったのは、本当にここ数年のこと。もう売ってるのをみつけるのが難しいほど。かけてみると、凄いなぁ、二人の世界的なソプラノがよくこんなアルバムを作ったものだと思う。もう贅沢の極み。中でもNormaの二重唱は、美しすぎる。
scotto.jpeg Muti盤NabuccoのAbigailleも凄かった。この人、こんな風に歌っていていいんだろうかって言うほどの歌い方。この役、元々ソプラノ潰しって言うほどのものだって聴いてたけど、こんなに全身全霊で歌って、本当に凄い歌手だと思った。

 歳も取って経済的余裕もでき、CDもレコード時代では考えられなかったような安価に買えるようになり、Gilda, Norma, Tosca, Mimiとかも買ったけど、やはり上に挙げた録音・録画が私には一番だった。
 色々オペラの楽しさを教えてくださったRenata Scotto、主のみ元にあって、永遠の安息が与えられますように。


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宮崎駿監督『君たちはどう生きるか』 [映画]

君たちは.jpeg 宣伝もないままに、どんなだろうと思いながら見に行きました。口コミとしては、よい悪いの両極端が多いと聴いていたので、なおさらびびりながら見にいきました。
 ネタバレにならないように書いていきますが、私にはとっても面白かったです。最初の出だしが重苦しくって、すこしこの路線が続くのは嫌だなぁと思っていましたが、いやいや、もう宮崎駿ワールド全開な感じがしました。強いて言うと、これまでの作品すべてのオマージュみたいなところがあり、どの場面も見覚えがあるところが多いのですが、それを巧く紡ぎあわせて作ってある。どちらかというと『千』や『ハウル』のような成長物語で、ドキドキハラハラするのですが、最後は思わず涙が出そうになります。
 それに米津玄師の歌がよすぎる。あまりに映画の内容にあっているので、二重に感動でした。
 映画の分析や意味づけをする気は毛頭ないのですが、映画館の大画面であと何回かは観てみたいと思う作品でした。

米津玄師『地球儀』 
https://youtu.be/VUsURj_OYdA


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『ドン・ジョヴァンニ』 佐渡裕指揮 兵庫県立芸術文化センター [オペラ]

 毎年恒例の芸文詣でに出かけてきました。もう歳も歳だし、老い先短いから贅沢してよいかなぁと、昨年から日本人セットと外人さんセットの両方を見に行くようになりました。

IMG_1945.jpeg 最初に観たのは開幕間もない日本人セットでした。題名役の大西宇宙さん、とても艶やかな声で堂々とした歌唱スタイル、とても気に入りました。ジョヴァンニが乗り移っているのか、本当に女たらし・男たらしの演技で、上半身裸になったり、レポレッロの平野和さんにキスしたり、娼婦や男娼を弄ぶ姿はそれなりのものでした。『詩人の恋』をCD化されていたので、早速買って聴いております。これからが楽しみです。高野百合絵さんのアンナと城宏憲さんのオッターヴィオのペアは、悲劇的でありながらも、力の抜けた声を響かせて歌っているのがとても好印象でした。特に城さんの2つのアリアは、余計な力が入っておらず、とても気持ちよかったです。池田香織さんのエルヴィーラは、最後のアリアが少しアジリタがヒヤヒヤするものでしたが、体当たり的な歌唱でした。
 外人さんのセットは、その日がその人たちの千穐楽で、とても盛り上がった感がありました。Heidi Stoberさんのエルヴィーラが私的に最高でした。歌が巧いのもさることながら、この役の悲劇的な部分を最大限に出されていて、終幕最後の6重唱など、涙が出そうでした。Joshua Hopkinsさんの題名役は、さすが主役だけあって、声がまず美しい。大西さんを観た後だったので、少し演技が平板かなぁという感じがありましたが、とても気に入りました。アンナとオッターヴィオのペアは、日本人の二人がとてもよかったので、ちょっと残念な気がしました。David Portilloさんのオッターヴィオは、もう最終日だったから、少し声に疲れが感じられましたし、Michelle Bradleyさんのアンナは少し歌い回しが荒いかなぁと思ってしまいました。始終声を張って歌われるので、少し聴き疲れもありました。

 昨年のボエームに比べると舞台が簡略化されていて、ボエームやその前のメリーウィドウのような、わぁ、と息を呑むような場面がないのは残念でしたが、舞台上で衣装を付けたたくさんの人たちが楽器を演奏されたりと、華やかさはありました。ただ、最後の地獄落ち、装置が舞台後方に引きずられて行き、そこで奈落落ちとなるのですが、一番オケが鳴っている時に舞台奥で歌われると、ほとんど声が聞こえず残念でした。
 席は両方ともラッキーなことに一列目で、佐渡さんの唸り声も堪能しました。モーツァルトは木管・金管楽器側より弦側に席があったほうがいいなぁ、と色々聞き比べ、見比べして楽しんできました。長く楽しみにしてきたオペラ、終わってしまって、来年の蝶々さんまで、また首を長くして待たねばなりません。

 今も『ドン・ジョヴァンニ』熱は冷めやらず、家にあるカラヤン盤をヘヴィーローテーションです。


https://youtu.be/4E76hRbSLf4
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