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ヴェルディ: 歌劇『ナブッコ』 METライブビューイング  [オペラ]

 映画館でVerdiの"Nabucco"をMET Live Viewingで観てきました。だいたいこのLive Viewing、中途半端な時間にやってるから、働きに出ているとほぼ観られないし、これ一つで休みの日一日を潰さないといけないから、ほぼ観にいけません。明日がたまたま私としてはゆっくりした土曜日になるので、今日は出かけて観にいくことにしました。うちの町では今日から始まりました。比較的たくさんの方が来られていましたが、ほとんどが私かそれ以上の歳の人たちでした。

 歌手の名前を見て、以前Royal OperaのMacbethのビデオで観たことがあったAbigaille役のMonastyrskaだけでしたが、この『ナブッコ』は大好きな演目だから、少しワクワクしていました。
 演出は以前ビデオ化されていたPonsとGuleghina盤と同じもの(2002年の録画だからもう20年以上前の製作になる)で、Metらしいゴージャスなものでした。読み替えものではないので、観ていてストーんと入ってきます。神殿を燃やすシーンでは本物の火で焼いたり、ベルの神様(どんな神様かは知りませんが)にイナゴのような偶像を作ったり、合唱団も多いですし、衣装もとっても華やかです。アメリカの人たちって、合唱団の人に至るまで、本当に大きな人が多いなぁという印象を受けました。
 一番気に入った歌手は、題名役のGeorge Gagnidzeで、体つきからは想像できないような明るい声のバリトンで、本当によく響きますし、目力が強く、表情が本当にわかりやすい。生で聴いてみたいなぁと思う声でした。ジョージア出身の歌手で、英語のインタビューは少し辛そうでした。
 IsmaeleのSeokJong Baekも声が綺麗だし歌もとっても巧い。朗々と響かせる歌がなんとも気持ちがいい。この人も是非とも生で聴いてみたいです。韓国出身だと思うのですが、こうした素晴らしいテノールが出る国って羨ましいです。日本じゃこの声質のテノールは、なんかどこに行っても年輩の同じ人で、あまりうまく後進が育ってる気がしない。日本もどんどんこの声質の人を育てて、活躍の場を広げ、次々と輩出してもらいたいなぁと思いました。
 AbigailleのMonastyrskaは、ちょっと声でぐいぐい押してくる人なんで、この手の役柄では仕方ないのかもしれないけど、私としてはちょっと苦手な歌手かもしれません。この役やTurandot、Lady Macbethと言った役柄がこういう声を必要とするので、そういった役柄自体、私が好きではないのかもしれません。凄いなぁとは思うけど、CDで聴きたいとは思わないかも。このソプラノもビデオで観たGuleghinaもウクライナ出身だそうで、インタビューでも平和を祈る言葉を言われてました。
 FenenaのMaria Barakovaはロシア出身のメゾ。私には可もなく不可もないという感じです。主役級の人の中で唯一細い人という印象でした。ZaccariaのDmitry Belosselskiyは、ちょっといただけない。大きな人なのに声量がないし下が出ない。レガートで歌っている訳でもない。この人もウクライナ出身だそうです。
 しかし何をおいても合唱の素晴らしさ。この演目自体が合唱をよく使っているからかもしれませんが、それだけでワクワク感がありました。
 ナブッコって、あまり日本ではやらない気がします。コロナ禍が始まって、どんどん演奏会が中止になったとき、チケット買って楽しみにしていた海外引っ越し公演(確かパレルモだったかなぁ)も案の定中止になり、生で観てみたいなぁと思いながら帰ってきました。
https://youtu.be/pHNDnzM2HbU?si=Iu-nyJLrSnN0nvaJ
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