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Renata Scotto 逝去 [オペラ]

 Renata Scottoが昨日2023.8.16に亡くなられた。89歳だったというから大往生と言える。とは言うものの、知っている人が亡くなられるのは悲しい。
 私がオペラを聞き出したのは1981年にスカラ座がKleiberやAbbadoと来日からだったが、その時はソプラノはFreniだった。Freniより1年早い1934年生まれなんで、Scottoも一番いいときだったと思う。
 私はFreniの方が好きだった。それもDGやDeccaの録音にFreniが多かったせいだと思うが、当時高価なレコード、Scottoまで買って聞く余裕はなかった。

scotto (1).JPEG Scottoで一番好きなのはMuti指揮でKrausと録音したLa Traviata。この曲を初めて聴いたのはこの録音で、この曲はこれで覚えたと言えると思う。キャリアの初めの方はコロラトゥーラだったと思うのだけど、あまり彼女の高音が好きではなかった。この録音はdrammaticoに移行してからのものなのだろうが、やはり「花から花へ」は少しきついと思った。でも「ああ、そはかの人」は、この人が最高だし、終幕最後の歌唱もこの人以外には考えられないくらい刷り込まれている。息継ぎの時の音が少し大きいのはご愛嬌か。
scotto (2).JPEG Luisa Miller。ここ10年くらい前からVerdiの有名でない路線の作品を聴くようになって、MaazelのDG盤は持っていたものの、映像で観たくなって買ったのがMetでDomingoと歌っているこの録画。古くって少し画像がよくないのだけど、これがまたいい。Scottoは本当に歌舞伎役者の様に見得を切って歌う姿に感動。凄い声だなぁ。見た目的にはアルプスの乙女というより、ひまわりおばさん風だけど、そんなこと全然気にならない。私的には彼女の一番の映像じゃないかと思う。
scotto (3).JPEG 最盛期を超えたのか、主役ではなくMusettaを歌うMetのこの録音も好き。元々CarrerasのRodolfoが観たくて買ったけど、Scottoの役者姿も凄い。確かMetで演出もやっていたのではないかなぁ。
scotto (4).JPEG 古いレコードでFreniとのデュエット集。このアルバムを買えるほど余裕があるわけではなかった私がこのCDを買ったのは、本当にここ数年のこと。もう売ってるのをみつけるのが難しいほど。かけてみると、凄いなぁ、二人の世界的なソプラノがよくこんなアルバムを作ったものだと思う。もう贅沢の極み。中でもNormaの二重唱は、美しすぎる。
scotto.jpeg Muti盤NabuccoのAbigailleも凄かった。この人、こんな風に歌っていていいんだろうかって言うほどの歌い方。この役、元々ソプラノ潰しって言うほどのものだって聴いてたけど、こんなに全身全霊で歌って、本当に凄い歌手だと思った。

 歳も取って経済的余裕もでき、CDもレコード時代では考えられなかったような安価に買えるようになり、Gilda, Norma, Tosca, Mimiとかも買ったけど、やはり上に挙げた録音・録画が私には一番だった。
 色々オペラの楽しさを教えてくださったRenata Scotto、主のみ元にあって、永遠の安息が与えられますように。


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