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劇団四季 「オペラ座の怪人」 京都劇場 [ミュージカル]

odaoda.jpg 8月に入って、京都劇場の「オペラ座の怪人」を観てきました。前回大阪・ハービスエントで観た時、このミュージカルはもう劇団四季で観なくてもいいかなぁ、と思っていたのですが、会員情報誌が千秋楽だ千秋楽だって強く宣伝されているし、一度母親を連れてやってもいいかなぁと思い、京都のが終わる前に観に行ったわけです。

 舞台に向かって右側の真ん中通路側、前から3列目で、クリスティーンがこっちを向いて歌ってくれる回数が多かったのが嬉しい席でした。2幕最初の仮面舞踏会では、階段の上の方の人が見えなかったのが唯一の難点でした。

 何度も繰り返して聞くと、手のひらを返したようなクリスティーンの仕打ちや、ストーカーまがいのファントムの性格付けに、理性的には受け入れられなくなるような点も多いのですが、曲の美しさとストーリー展開、特に2幕でのたたみかけていくような展開は、本当にこのミュージカルの一番の魅力です。何度観てもワクワクしながら観てしまいます。
 ただ日本語訳にかなり問題があると思います。メロディーの美しさを損ねる字余りの言葉はまず大きな問題だと思います。確かに現代語に訳すのは大変だと思うのですが、できれば原曲のリズムにもう少しあった訳詞付けをして欲しかったです。また日本語でもいいのに英語やフランス語にしたりする点は、外国語に不慣れな年輩の人達、たとえば私の母などには、何を言っているのかわからないと思います。字で読むならそれなりに反芻して考えられるのですが、歌詞となると一瞬で終わってしまいます。「天使」「エンジェル」や「ムッシュ~」「~さん」の混在など、できれば日本語に統一した方がいいと思います。

 配役では、ラウルの中井智彦さんがなんせとってもうまく、本当に感激しました。母音もとても綺麗にそろえて歌っているし、声も綺麗だし、ハンサムだし、その若々しさもラウルに適切な配役です。ラウルは舞台でもCDでもあまり気に入った演奏がなかったので、今回は本当に嬉しかったです。劇団四季で歌うのはこれがデビューだとかで、そうには見えない堂々とした歌いっぷりは素晴らしかったです。
 クリスティーンもがんばっていましたが、クリスティーンって、大体だれがやってもあれくらいはしっかり歌ってくれるものだと思いました。
 問題はファントムで、声も男っぽくかっこいいし、中音以下もよく響く素敵な声なのですが、高音が出ない。高音がどれも割れているか叫んでいるか、悪いときは裏返ってしまうかで、その度に興醒めしてしまいました。たくさんのファンがいるみたいで、真ん中席の前の方の人達は、みんなウルウル目で見つめられていましたが、あの高音は、如何せん私はいただけません。1曲に必ず数回は出てくるのですから、他の何がよくっても、私は喝采というわけにはいきませんでした。前回大阪・ハービスエントで観た時のファントムも同じようにベテランの人だったと思いますが、この人も高音が出ず、最後は本当に聞きづらかった....。

 とは言うものの、合唱も素敵だし、立ち振る舞いも立派だし、やはり生で見るのはいいなぁと思った公演でした。
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