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2023 道東旅 #1 釧路~霧多布 [鉄道旅]

20230806 霧多布 (3).JPEG 根室本線の花咲線部分に以前から乗りたくって、今年はやっと実行してきました。決めたのが遅かったので、飛行機や宿取りが大変でしたが、とりあえずいつも通り飛行機から決めて計画していきました。関空からのPeachが一番安く、機内持ち込み荷物7kg一つのみという条件で、釧路まで飛びました。
 釧路空港から釧路駅までのエアポートリムジンには、「このバスは釧路駅でのJR線に接続していません。」との張り紙。この辺りのJR線は日に5本ほどなので、それに接続していないとなると、本当に焦ることになります。ヒヤヒヤしながらバスに乗っていましたが、乗車予定の花咲線には無事10分前に到着しました。
20230806 霧多布 (4).JPEG 釧路を出ると、すぐに人気のない平原に出て、ひたすら走っていきますが、厚岸から茶内間の別寒辺牛湿原を走る時に大感動。すごいところに線路が敷かれている。実際、少したくさん雨が降ると花咲線はすぐに運転見合わせになるそうです。
20230806 霧多布 (5).JPEG 浜中駅に到着。ここまで宿の方が迎えに来てくださるということでおりましたが、当日メール連絡すると、○○まで来てくださいとのこと。えっ!仕方なく誰も人が歩いていない道を歩き出すと、宿の方が車で来てくださり、バス運行のない日曜日であることを忘れていました!とのこと。ほっとしました。
 浜中はモンキーパンチさんの出身地だそうで、あちこちにルパンの一族の等身大看板があります。
 泊まった宿は霧多布里。https://kiritappuri.jimdofree.com/
東京から移住してこられたご夫婦の営む民宿です。SDGsにかなり高い意識のある方々で、色々話を聞かせていただきました。
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20230807  霧多布 (2).JPEG 新鮮な魚介類中心で、とてもおいしい。お酒もとっても安く呑ませていただきました。霧多布辺りのことを色々聞かせてもらい、雨模様だった次の日の回り方もご指南くださいました。
 次の日は案の定小雨でしたが、朝食まで、浜の散歩に出かけました。道にはアスファルトの割れ目からノコギリ草がかわいい姿を見せています。ノコギリ草には3種類あるのだそうで、これはそのうち一番小さな葉の種類だそうです。
20230807  霧多布 (3).JPEG この辺の浜は、全国でも珍しい、自動車で走ることができる浜だそうで、遠くに見える霧多布岬を前に歩きます。オジロワシのつがいが、カラスのつがいと並んで岸壁に休んでいました。オジロワシは足で相手を掴まないと力が発揮できないのだそうで、カラスにいたずらされること多い出そうです。
 さてさて、宿に戻って参りました。この後カヌーを頼んでおいたガイドさんから中止の連絡が来ましたが、霧多布里のおじさんが、ネーチャーガイドしてもらうといいよ、ってアドバイスしてくださり、ガイドさんに伝えると、快諾。朝ご飯を食べてガイドさんの到着を待ちます。
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20230807  霧多布 (4).JPEG

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Renata Scotto 逝去 [オペラ]

 Renata Scottoが昨日2023.8.16に亡くなられた。89歳だったというから大往生と言える。とは言うものの、知っている人が亡くなられるのは悲しい。
 私がオペラを聞き出したのは1981年にスカラ座がKleiberやAbbadoと来日からだったが、その時はソプラノはFreniだった。Freniより1年早い1934年生まれなんで、Scottoも一番いいときだったと思う。
 私はFreniの方が好きだった。それもDGやDeccaの録音にFreniが多かったせいだと思うが、当時高価なレコード、Scottoまで買って聞く余裕はなかった。

scotto (1).JPEG Scottoで一番好きなのはMuti指揮でKrausと録音したLa Traviata。この曲を初めて聴いたのはこの録音で、この曲はこれで覚えたと言えると思う。キャリアの初めの方はコロラトゥーラだったと思うのだけど、あまり彼女の高音が好きではなかった。この録音はdrammaticoに移行してからのものなのだろうが、やはり「花から花へ」は少しきついと思った。でも「ああ、そはかの人」は、この人が最高だし、終幕最後の歌唱もこの人以外には考えられないくらい刷り込まれている。息継ぎの時の音が少し大きいのはご愛嬌か。
scotto (2).JPEG Luisa Miller。ここ10年くらい前からVerdiの有名でない路線の作品を聴くようになって、MaazelのDG盤は持っていたものの、映像で観たくなって買ったのがMetでDomingoと歌っているこの録画。古くって少し画像がよくないのだけど、これがまたいい。Scottoは本当に歌舞伎役者の様に見得を切って歌う姿に感動。凄い声だなぁ。見た目的にはアルプスの乙女というより、ひまわりおばさん風だけど、そんなこと全然気にならない。私的には彼女の一番の映像じゃないかと思う。
scotto (3).JPEG 最盛期を超えたのか、主役ではなくMusettaを歌うMetのこの録音も好き。元々CarrerasのRodolfoが観たくて買ったけど、Scottoの役者姿も凄い。確かMetで演出もやっていたのではないかなぁ。
scotto (4).JPEG 古いレコードでFreniとのデュエット集。このアルバムを買えるほど余裕があるわけではなかった私がこのCDを買ったのは、本当にここ数年のこと。もう売ってるのをみつけるのが難しいほど。かけてみると、凄いなぁ、二人の世界的なソプラノがよくこんなアルバムを作ったものだと思う。もう贅沢の極み。中でもNormaの二重唱は、美しすぎる。
scotto.jpeg Muti盤NabuccoのAbigailleも凄かった。この人、こんな風に歌っていていいんだろうかって言うほどの歌い方。この役、元々ソプラノ潰しって言うほどのものだって聴いてたけど、こんなに全身全霊で歌って、本当に凄い歌手だと思った。

 歳も取って経済的余裕もでき、CDもレコード時代では考えられなかったような安価に買えるようになり、Gilda, Norma, Tosca, Mimiとかも買ったけど、やはり上に挙げた録音・録画が私には一番だった。
 色々オペラの楽しさを教えてくださったRenata Scotto、主のみ元にあって、永遠の安息が与えられますように。


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宮崎駿監督『君たちはどう生きるか』 [映画]

君たちは.jpeg 宣伝もないままに、どんなだろうと思いながら見に行きました。口コミとしては、よい悪いの両極端が多いと聴いていたので、なおさらびびりながら見にいきました。
 ネタバレにならないように書いていきますが、私にはとっても面白かったです。最初の出だしが重苦しくって、すこしこの路線が続くのは嫌だなぁと思っていましたが、いやいや、もう宮崎駿ワールド全開な感じがしました。強いて言うと、これまでの作品すべてのオマージュみたいなところがあり、どの場面も見覚えがあるところが多いのですが、それを巧く紡ぎあわせて作ってある。どちらかというと『千』や『ハウル』のような成長物語で、ドキドキハラハラするのですが、最後は思わず涙が出そうになります。
 それに米津玄師の歌がよすぎる。あまりに映画の内容にあっているので、二重に感動でした。
 映画の分析や意味づけをする気は毛頭ないのですが、映画館の大画面であと何回かは観てみたいと思う作品でした。

米津玄師『地球儀』 
https://youtu.be/VUsURj_OYdA


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『ドン・ジョヴァンニ』 佐渡裕指揮 兵庫県立芸術文化センター [オペラ]

 毎年恒例の芸文詣でに出かけてきました。もう歳も歳だし、老い先短いから贅沢してよいかなぁと、昨年から日本人セットと外人さんセットの両方を見に行くようになりました。

IMG_1945.jpeg 最初に観たのは開幕間もない日本人セットでした。題名役の大西宇宙さん、とても艶やかな声で堂々とした歌唱スタイル、とても気に入りました。ジョヴァンニが乗り移っているのか、本当に女たらし・男たらしの演技で、上半身裸になったり、レポレッロの平野和さんにキスしたり、娼婦や男娼を弄ぶ姿はそれなりのものでした。『詩人の恋』をCD化されていたので、早速買って聴いております。これからが楽しみです。高野百合絵さんのアンナと城宏憲さんのオッターヴィオのペアは、悲劇的でありながらも、力の抜けた声を響かせて歌っているのがとても好印象でした。特に城さんの2つのアリアは、余計な力が入っておらず、とても気持ちよかったです。池田香織さんのエルヴィーラは、最後のアリアが少しアジリタがヒヤヒヤするものでしたが、体当たり的な歌唱でした。
 外人さんのセットは、その日がその人たちの千穐楽で、とても盛り上がった感がありました。Heidi Stoberさんのエルヴィーラが私的に最高でした。歌が巧いのもさることながら、この役の悲劇的な部分を最大限に出されていて、終幕最後の6重唱など、涙が出そうでした。Joshua Hopkinsさんの題名役は、さすが主役だけあって、声がまず美しい。大西さんを観た後だったので、少し演技が平板かなぁという感じがありましたが、とても気に入りました。アンナとオッターヴィオのペアは、日本人の二人がとてもよかったので、ちょっと残念な気がしました。David Portilloさんのオッターヴィオは、もう最終日だったから、少し声に疲れが感じられましたし、Michelle Bradleyさんのアンナは少し歌い回しが荒いかなぁと思ってしまいました。始終声を張って歌われるので、少し聴き疲れもありました。

 昨年のボエームに比べると舞台が簡略化されていて、ボエームやその前のメリーウィドウのような、わぁ、と息を呑むような場面がないのは残念でしたが、舞台上で衣装を付けたたくさんの人たちが楽器を演奏されたりと、華やかさはありました。ただ、最後の地獄落ち、装置が舞台後方に引きずられて行き、そこで奈落落ちとなるのですが、一番オケが鳴っている時に舞台奥で歌われると、ほとんど声が聞こえず残念でした。
 席は両方ともラッキーなことに一列目で、佐渡さんの唸り声も堪能しました。モーツァルトは木管・金管楽器側より弦側に席があったほうがいいなぁ、と色々聞き比べ、見比べして楽しんできました。長く楽しみにしてきたオペラ、終わってしまって、来年の蝶々さんまで、また首を長くして待たねばなりません。

 今も『ドン・ジョヴァンニ』熱は冷めやらず、家にあるカラヤン盤をヘヴィーローテーションです。


https://youtu.be/4E76hRbSLf4
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芸備線 広島~三次~備後落合~新見 [鉄道旅]

hiro9.jpg 夏休み、広島から芸備線、三次〜備後落合〜新見経由で伯備線やくもで、岡山まで乗ってきました。備後落合?新見は2回目ですが、今回は同じような乗り鉄の人たちが三次から新見まで一緒で、立ってる人が出るくらいでした。hiro1.jpgまっ、立ってる人も景色見たり写真撮ったりで楽しそうでしたが[わーい(嬉しい顔)]
hiro4.jpg 本当は塩町〜府中〜福山に乗りたかったのですが、少し時間があったし、連絡がうまく行っていたので、こちらにしました。今はyahoo路線情報があるから、時間調べも簡単ですね。最近は時刻表の本の数字も小さくて見えづらくなってきましたことですし…[わーい(嬉しい顔)][あせあせ(飛び散る汗)]
hiro6.jpg
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『シン・ウルトラマン』 [映画]

IMG_9113.jpg 『シン・ウルトラマン』、IMAXで2回観ました。観た後の気分としては『シン・ゴジラ』の時のような、なんか救われない、荒れたこころにならず、最後の米津玄師の『M87』のような、自分もヒーローになった気になって帰ってこられました。
 始まってすぐにウルトラQに出てきた怪獣との戦いが語られ(「禍威獣」「禍特対」と書くのですね)、それだけで気分が盛り上がります。その中であまり覚えていなかったパゴスは、帰ってきてから復習しておきました。
 2時間枠だし、展開もせんなあかんし、展開しすぎても収集つかないし、大変だっただろうなと思いながらも、出てくる禍威獣たちのグレードアップした様子や、それと戦うウルトラマンのこれまた凄いこと、随分興奮させられます。
 禍威獣たちとの戦いが一旦落ち着くと外星人たち。ザラブやらメフィラスやら、よく選んだなぁと思いました。自分としても、子供の頃ウルトラマンの中ではそれほどワクワクして観た回じゃなかったけど、今こうして見せられるとその意味がよくわかる。長沢さんが巨大化するのも、本当に本編のオマージュで、監督のウルトラマン愛がよくわかる。家に帰って、これも早速復習視聴しました。
 ただ私としては長沢さんに纏わるお色気サービスは、ちょっと不要かも。巨大化して歩いている時の下から角度のカットやら、匂いについての話など、私には少し気持ち悪い。
 斉藤さんと山本さんの居酒屋シーンは逆にとってもよかった。こういった発想はどこから来たんだろう。確かにセブンとメトロン星人の卓袱台を挟んだあぐら対峙はあったけど、昭和の雰囲気を醸し出すためだったのかなぁ。この映画を観てから、山本さんは私にはメフィラスにしか見えず、鎌倉殿の三浦ですがメフィラスに見える。
 ゾーフィの扱いがあまりに驚いたのと、ゼットンの描かれ方が私には随分異質だ。この際、ゾーフィは新しい話として置いておいても、ゼットンはウルトラマンの中でも一番好きな怪獣。ウルトラシリーズでは何度も出てきているけど、その中でもウルトラマンのゼットンは角もしっかり立っていて、本当に惚れ惚れするかっこよさ。それがあのように兵器扱いになるだなんて...。ゼットンから出てくる音も本当に懐かしいものだっただけに、私は少し残念。それとこの辺りのストーリー展開が、ちょっと私には分かりづらい。
 映画としては大満足だったのですが、家で観るのだったら昔のDVD出してきて観る方がいいかなぁ。それにセブンの方が断然好きだしなぁ。
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オリビア・ニュートン・ジョン逝去 2022.8.8 [洋楽]

 小学生の頃から大好きだったオリビアが亡くなった。1992年にがんと診断され、それからずっと闘病生活を送ってこられた。つい最近facebookで幸せそうな写真が掲載されたかと思った矢先のことだった。最後にコンサートに行ったのは2010年だったけど、娘さんも連れて、新しいかっこいいヴァージョンのPhysicalを歌ってはったのが思い出される。

IMG_1589.JPEG 小学校の頃『カントリー・ロード』が流行り、そこからファンだったが、『水の中の妖精』(Come On Over)のLPジャケットがとっても美しく大好きだった。内容は日本語タイトルとはほぼほぼ関係なく、日本で流行ったJoleneで始まる、全体的にカントリータッチなできあがり。私は、Pony Rideというとてもメロウで不思議な雰囲気な曲、表題曲のCome On Overと、最後の方の、これまた不思議な雰囲気のSmall Talk And Prideの3曲が大好き。他にもイングランド民謡のGreensleevesを男性合唱をバックに歌う曲、とってもセクシーでロックなIt'll Be Me、カントリー色の強いDon't Throw It All AwayやSmile For Me、そして、アルバムジャケットの様に穏やかでメロウに仕上げられたThe BeatlesのThe Long And Winding Roadと、いい曲が続く。

IMG_1591.JPEG それに続く『たそがれの恋』(Don't Stop Believin')が私の一番好きなアルバム。どうしてこういう邦題がついたのかは知らないが、カントリーポップでオリビアの明るさが全面に出ている。このアルバムはどの曲も好きだけど、一番に挙げるなら最終曲のThe Last Time You Loved。これはもう演歌。オリビア節に圧巻。しっとりしたNew-Born BabeやSamも絶対はずせないし、オーストラリア風のI'll Bet You a Kangarooもとってもいい。キャッチーなCompassionate Man、Hey, Mr. Dreammaker、Every Face Tells a Storyも大好き。彼女で一枚だけ選ぶなら絶対これ。

IMG_1590.JPEG 順序は逆になるが、初めて買ったアルバムは『きらめく光のように』(Making A Good Thing Better)。タイトル曲は、オリビアで一番好きな曲。「きらめく光」とは言い得て妙な邦題。Don't Stop Believin'を一歩推し進めたような内容。このアルバムもいい曲が多いけど、Don't Cry For Me ArgentinaとIf Love Is Realが群を抜いている気がする。メロウ路線のCoolin' DownやカントリーそのもののA Ring of Fireも素晴らしい。

 中学生の時は彼女の歌を聴き、発音を工夫しながらまねたのをよく覚えている。彼女の英語が果たして生まれ育ったイギリス英語なのかオーストラリア英語なのか、それともキャリアを築いたアメリカ英語なのかは私にはあまりどうでもいい話。彼女のきれいな声が好きだった。
 上の3枚の前後にも有名なアルバムはあるけど、一番私の付き合いが長かったのはこの3枚。彼女の声は美しいままで私の中で残ります。


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Kate Bush "Hounds Of Love" ケイト・ブッシュ『愛のかたち』 [洋楽]

IMG_1581.jpg 最近、ジムやスーパーに行くと、私の大好きだったケイトの『神秘の丘(Running Up That Hill)』がヘビーローテーションでかかっていて、今時こんな曲がこんなにかかって不思議だなぁと思っていましたが、ふとYouTubeを見ていると、この曲がStranger Thingsとかいう番組で使われて、世界的にリバイバルヒットしている曲だと知りました。ちょっと嬉しくなって、色々なCD出して聞いたりして、調べているうちに、なんと2018年にはリマスターやそのボックスセットが発売されたとかも知り、今回はそのケイト・ブッシュの中でも一番好きな『愛のかたち(Hounds Of Love)』について書きたくなりました。
 実験的でちょっとぶっ飛んだ感のある前作『The Dreaming』から比べると、随分私たち一般人側に戻ってきてくださった感があるアルバムで、LP時代のA・B面によって題名が付けられていて、A面『Hounds Of Love』は、表題曲のHounds Of Loveを含め、独立したポップな曲でまとまっています。B面『The Ninth Wave』は一連の組曲の体をなした構成です。

『Hounds Of Love』
1)『神秘の丘』Running Up That Hill (A Deal With God)
 今ちまたでヘビーローテーションでかかっている曲です。私的にはとても女性っぽいアレンジに聞こえ、強い意志を持った女性が切々と歌う感じがあります。私的にはCome on, baby, come on, come on, angel, let's exchange the experience, Oh.のくだりのケイトの歌が一番ゾクゾクします。そのあともたくさんの女性たちの、登っていこうとする喘ぎ声のようなものがバックで聞こえてきて、比較的穏やかに終わっていきます。

2) 『愛のかたち(Hounds Of Love)』
 前曲の余韻を消し去るように、ドラムの強い打ち込があったかと思うと、"It's in the tree. It's coming!"と怯えた声が聞こえてきて、とてもエネルギッシュなこの曲が始まります。この歌も前曲に続き、とても意志の強い主人公の歌です。逃げてる感満載のアレンジですが、ケイトのシンセと二本のチェロとドラムとハウンドの声を模した女性のコーラスのみです。この曲、スピード感があって大好きです。逃げているんだけど捕まえられたいというような不思議な気持ちです。

3) 『大空(The Big Sky)』
 前曲に続き、とてもキャッチーな音楽ですが、たくさんの女声を中心に進んでいく中、ケイトが自由なソロを歌っていきます。最後は思いっきり叫ぶ中終わっていきます。

4) 『母親(Mother Stands For Confort)』
 続く曲はスローで内省的な曲になります。ケイトの声もとても優しいですが、どんどんガラスが割れる音が入っています。前面に聞こえてくる口笛風のシンセ、ベースギターも独特のカッコいい動きをします。バックに別にケイトが歌うのですが、メインを歌っているケイトとは人格が違っているかのようです。この『Hounds Of Love』サイドでは唯一シングルカットされていない曲だそうです。(って、この「シングル・カット」って言葉ももう化石化していますかね(^^;。)

5) 『クラウド・バスティング(Cloudbusting)』
 ストリングスのバックで進んでいく、比較的スローな曲です。後半はどんどん盛り上がっていき、どんどん前進していくイメージが強くなり、みんなでスローガンを掲げた行進を行っていく感じです。不思議な曲です。

『The Ninth Wave』
 CDの解説によると、9番目の波が一番大きくて、すべてを消し去る波なんだそうです。同時にすべてをリセットする絶対的な存在で、それを超えた後に希望があるのだそうです。

1) 『羊の夢(And Dream of Sheep)』
 ピアノだけの伴奏で、とても内省的で、どこか懐かしい思いを歌にした感じです。曲のあちこちに嵐の前触れを示すアナウンスが聞こえてきて、穏やかでありながらどこか不気味な組曲の始まりです。

2)『氷の下(Under Ice)』
 厳しい曲が続きます。たった一人でスケートをする主人公と、それを見ていて解説する人たちを、違うトラックに録音されたケイトが歌っていきます。警告する人の声も聞こえてきたりして、最後は氷の下に落ちてしまったのか、それとも氷の下の別の違った存在が自分だと思っているのか、歌詞的には少し背筋が寒い曲です。最後は低音弦の刻み音とシンセの音の上、It's Me...と叫びながら終わっていきます。最後は次の曲の最初'Wake Up!'の声まで続きます。

3) 『魔女(Waking the Witch)』
 前半は、ピアノの和音がゆっくりと響く中、たくさんの身内の人たちの「起きなさい」という優しい声が聞こえてきますが、テンポが急に速くなると、きつい声で訴えるように歌うケイトをバックに、閻魔様のような低い声の男の人と、助けを求めるケイト。民衆は彼女は有罪と叫び、ケイトは「黒い鳥を助けて」と叫び、波から離れなさいというヘリコプターからの警告がある中、曲はフェードアウトしていきます。曲と言うよりストーリーの一部のようです。

4)『ウォッチング・ユー・ウィザウト・ミー(Watching You Without Me)』
 気だるい曲が続きます。誰も私をわかってくれないと言い続けています。みんなは見えていると言っているのですが、そのうち切れ切れに先ほどの『魔女」の言い分も聞こえてくるうちに終わります。

5)『ジグ・オブ・ライフ(Jig Of Life)』
 続く曲はケルトの音楽です。この歌は曲としては大好きですが、歌詞が少し怖い。鏡の中にいる自分が自分を殺さないでくれ頼む。鏡の中の自分と鏡の前に座っている自分は違う時間に暮らしているようです。音楽自体はEd Sheeranも歌っているようなジグ(イギリスやアイルランドの民族音楽)で迫力のあるものです。I put this moment here.と二回答えるところで音楽は一度止まり、そこから男性のセリフが続きますが、音楽はどんどん盛り上がって休止します。

6)『こんにちは地球(Hello Earth)』
 前の曲から続いて、宇宙飛行士たちが宇宙から地球を見て会話をしてるところから始まります。そして荘厳なピアノの和音でこの曲は始まります。とても不思議な曲です。ゆっくりしたテンポの曲で、地球から空を見上げたり、上空から嵐が来ている様子を見ていたり。ケイトの歌も感動的ですが、途中、男性合唱が挿入されていて、それがとても宗教的かつ哲学的な響きがします。それ単体ならこれほどの思いはないのですが、ケイトの曲の中にあることで、それがずいぶん強く彩られます。壮大でドラマティックな仕上がり、私の一番好きな曲です。

7) 『朝もやの中で(The Morning Fog)』
 重かった前曲とうって変わって明るく軽快な曲です。バックでケイトの歌詞のない歌に乗り、少しけだるい感じでメインボーカルが進みます。『The Ninth Wave』で現れたモティーフがあちこちに現れながら終わっていきます。


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『ラ・ボエーム』 佐渡裕芸術関東プロデュースオペラ2022 [オペラ]

 2022年度の兵庫県立芸術劇場の佐渡さんのオペラはボエームでした。これは2020年度公演予定だったのですが、当時のイタリアはコロナでたくさんの人たちが亡くなる中、プロダクションがほぼイタリアで作られるこの公演は、他のオペラもどんどん中止になる中で、自然な流れで中止となっていくものでした。それが今回の公演につながっているわけです。
 兵庫県立芸術劇場のオペラは、どちらかというとよく知られている作品がかかり、ほぼどの公演も満席御礼と言ったものです。それもひとえにわかりやすい演出と、豪華豪華な作りが理由だと思います。今回のボエームも始まる前から期待にあふれるものでした。

IMG_1582.jpg 第一幕はセーヌ川にあると思われる船の中が4人の部屋という感じです。ミミは同じアパートというより、その船の停まっている前の建物に住んでいて、家主は同じのようです。この演出だと、まるでミミが早くからロドルフォのことを知っていて、狙っているかのようです。発想としては面白いですが、ミミが病気で気を失うことが少し辻褄が合わなくなります。まっ、でもイタリアオペラですから、難しいこと抜きで行きましょう。
 第二幕のカフェ・モミュスの場は、これはこれは豪華。幕が開くとカフェの前で、これでもかという人たちが舞台にいます。子供たちも含め、密にならないのか心配になってしまうほどでした。後半はカフェの中となり、色々な人たちが細かく動き、クリスマスの楽しさを巧く表現しています。ムゼッタの人気ぶりもよくわかる演出です。最後、鼓笛隊が現れて通り過ぎていくシーン、子供たちも含めて本当にゴージャス。
 第三幕は雪の降る城門のシーン。悲しい音楽によく合う作りです。

 キャストは2セットありますが、私は今回どちらも見に行ってきました。
 日本人がメインのセットは、私が一番感銘を受けたのはマルチェッロの高田智宏さんでした。顔の表情が台本によく沿っていて、顔を見ているだけで歌詞の内容がわかってきそうなくらいです。声もとてもよく練られた美しい声でした。ロドルフォの笛田博昭さんもとても巧いのですが、声量が他の人よりあるので、アンサンブルの時に少し浮いて聞こえてくるのが少し残念でした。ミミの砂川涼子さんは、最初少し硬く響いて残念でしたが、幕を往ごとに伸びやかな声になってこられて、さすがだなぁと思いました。ムゼッタだけがソフィア・ムチェドリシュヴィリさんというジョージア出身の方で、さすがによく伸びた声で、しかもムゼッタという色女を体現しているかのような人でした。第二幕では砂川さんより滑らかかつ艶めかしい歌を聴かせてくださり、本当にラッキーでした。コルリーネの平野和さんは第四幕の外套の歌ですごく大きな存在感を発揮されていました。日本のバス・バリトンは、体のこともあってか、どうしても浅めで弱く聞こえてくる感じがするのですが、とても美しく歌われていて感銘を受けました。
 もう一つのセットで一番よかった歌手もやはりマルチェッロで、Gustavo Castilloさんというベネズエラ出身の方でした。美しい声で、演技も人より大袈裟目でわかりやすくしてくださっていました。ロドルフォのRiccardo della Sciuccaさんは、少し声量が少なく、テノールって声が出しにくいのかなぁってイメージの歌い方でしたが、要所要所しっかり押さえておられるのはさすがイタリア人だなぁ。女声は、やはりこれもムゼッタのEva Taczさんがよく、第二幕などはお色気たっぷりで、ここまでやっていいのかなぁというサービスぶりでした。ミミのFrancesca Manzoさんは、ミミの声の高さは全然びくともしない余裕たっぷりの歌いっぷりでした。第二幕はやはりミミよりムゼッタの方が独断場のようで、ムゼッタのお二人には堪能させていただきました。

 今年は、日本人セットの公演は、一番前の列(実際にはA列に人は入れず、B列からだったのでB列が実質一番前の列)で、しかも佐渡さんのすぐ後ろだったので、もちろん歌手の演技も堪能しましたが、佐渡さんの唸ったり一緒に歌ったりする声、呼吸をする音、また歌舞伎のように見得を切る時の指揮法など、本当に佐渡さんを心まで堪能させていただきました。オペラってこうしてできるのだなぁと実感できる公演でした。
 来年は『ドン・ジョヴァンニ』。今から楽しみです。

 唯一の不平は、毎年必ず買っているTシャツが買えなかったこと。毎日販売枚数が決まっているとかで、劇場に着いたころにはもうその日分は売り切れている。二回目に行ったときに聞いたら、午前中には売り切れているとのこと。二時から始まる公演に午前中に西宮に着いているだなんて、普通はできません。スタッフは全員嬉しそうにそのTシャツを着ているし、劇場のあちこちに「Tシャツ好評発売中」ってポスターが、公演二時間前には売り切れているのに貼られている。本当にこれだけは後味悪かったです。

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姫新線・芸備線・木次線 JR西日本で一番乗客が少ない線路旅 [鉄道旅]

geibi2.jpg 姫路から姫新線で新見、そこから芸備線で備後落合、木次線で宍道までと言う旅をしてみたく、やっと果たしてきました。
 備後落合から木次線経由宍道行きです。
前なら三次まで行って三江線に絶対乗ったのだけど、既に廃線。なら備後落合から木次線です。この路線だっていつ廃線になるかわかりません。
geibi6.jpggeibi7.jpg 乗って初めて知りましたが、備後落合から急勾配で上がり、三井野原駅はJR西日本管内で最高度なんでっすって。そこからまた急勾配で降りていきますが、窓からは国道のオロチ坂が見えます。運転士さんは景色が見えるよう、ゆっくり走ってくださいます。そこから3段スイッチバックで、出雲坂根駅です。この木次線は観光列車も走ってるだけあって、いい景色です。
geibi9.jpggeibi10.jpg
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