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兵庫県立芸術センター 佐渡裕指揮「カルメン」 [オペラ]

09 carmen.jpg 大好きな佐渡さんのカルメンに行ってきました。

 佐渡さんのオペラは蝶々さん、魔笛、メリー・ウィドウと4回目です。12,000円で最前列で観られるし、毎回日本の演奏家も捨てたもんじゃないって実感できて嬉しいです。特に毎回合唱の質がいいのが一番の収穫です。

 さて今回のカルメン、ここで連続9公演の最終日でした。主役が外人さんで固められた日と日本人だけで固められた日とあったのですが、日程の関係で私は外人さんの日でした。本当はテナーの佐野成宏さんの歌が聴きたかったし、林美智子さんのカルメンにも興味があったのですが、背に腹は替えられないってことでこちらになりました。
 歌手の中ではエスカミーリョ役の人(Jean-Francois Lapoite)の声が一番気に入りました。ちょっと声量が落ちるのか舞台の歌い位置が悪いのか、一番の見せ所「闘牛士の歌」のコンチェルタートで声が合唱にかき消され気味だったのは残念でした。主役4人の中で唯一日本人のミカエラ木下美穂子さんはとってもよく健闘していて好感が持てました。 
 カルメンもドン・ホセも3幕以降でグイグイ実力を見せてくれた感じです。特にドン・ホセ役のフランス人(Luca Lombardo)、「若い将校」にしてはメタボでお疲れ気味に見える立ち姿が残念でしたが、聞かせどころもそつなく巧くこなし、職人芸を見せてくれていました。花の歌も良かったです。カルメン(Stella Grigorian)はメゾの主役としては、もう少し中低音をしっかり出して欲しいかなという感じでしたが、見た目の豊満さはこの役にピッタリでした。
 演出はごくオーソドックスな出来だったと思います。細かいところまで動きが考えられていて、とても興味深く思いました。特に4幕の幕切れのデュエットは合唱と主役の2人の対比とその2人の立ち姿の美しさがとっても印象的でした。ただ1幕2幕連続、3幕4幕連続は実際少し長く、ちょっと疲れてしまいました。
 気に入らなかったところは、前奏曲後半でドン・ホセの死刑の場と2幕冒頭のジプシーの歌をホセの妄想に変えた場面です。どちらも気持ちは分かるのですが、劇の流れとしては少しもたついいて、本当に蛇足だったと思います。特にジプシーの歌は、後に続く酒場の場面への場面転換のために、2番以降を管弦楽だけでもう一度リピートし、こちらの緊張と期待感を一気に削ぐようなところがあったので、少し興醒めしてしまいました。

 終演後はお決まりのサイン会で、買っておいたTシャツにサインをしてもらい、握手と写真撮影です。佐渡さんって本当に気さくでサービス精神のある人で、とっても嬉しかったです。

 色々と書きましたが、全体としてはとっても満足な一日でした。
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